情報を整理し結論を導く「ロジカルシンキング」。ロジカルシンキングのスキルは、これからの社会においてますます重要になっていきます。どのように「伝える」スキルを向上させ、キャリアップにつなげていったらよいのか、2回連続のオンラインセミナーを通して、講師のアドバイスのもと参加者同士で学び合いました。
日時 | <第1回>2020年10月29日(金)13:30~17:00 |
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<第2回>2020年11月5日(金)13:30~17:00 | |
対象 | 石川中央都市圏で働く若手~中堅女性 |
研修会社 | 株式会社インソース |
参加者 | 第1回:34名/第2回:29名 |
初めての顔合わせとなった第1回目のオンラインセミナー。Zoomを利用しての開催となります。参加者は6つのグループに分かれ、各グループで自己紹介が行われました。それぞれのグループでリーダーを選出し、グループ名を決めます。オンラインかつ初対面にも関わらず、和やかな雰囲気で始まりました。
講師のリードで、まずはロジカルシンキングの定義について全員で考えました。
どのような場面でロジカルシンキングが必要になるのか、グループで話し合いが行われました。
ロジカルシンキングは多くの場面で必要になるという共通認識です。グループ内で意見を出し合った後、講師より、なぜロジカルシンキングが必要なのか、意識すべきことは何か、どのように身につけたらいいのか、順を追って説明がありました。仕事の場面で意識すべきこととして、「自分なりの考えを持つこと」「考えを統合して結論を導き出すこと」「相手に納得してもらえるように伝えること」の3つをあげ、そのためには、「整理する」、「結論を出す」、「分かりやすく伝える」というプロセスが必要になる、と。「言われたことを言われた通りにこなすならAIにはかなわない。自分の考えを織り込みながら、よりよいものを生み出せる人材になりましょう。」と参加者を鼓舞しました。
説明を受けた後は、グループワークです。最初のワークは「整理すること」。講師から出されたケーススタディに基づいて、各グループで意見を出し合いながら情報を整理していきます。
講師からは「グルーピングは何を切り口にするかでまとめ方が変わってくる。」とのアドバイスがありました。MECE(Mutually, Exclusive, Collectively, Exhaustive モレなくダブりなく)という概念が紹介され、すっきりと整理するためのコツを解説。分かりやすく理解するため、グループワークで参加者が車を分類・整理してみました。
MECEの概念を理解した上で、最初のケーススタディに戻ります。グループでの話し合いを重ねながら、参加者ひとりひとりが、どのように情報を整理するかをまとめました。
前週に引き続いて行われた第2回目のオンラインセミナー。1回目にグループワークの時間が多かったことで、参加者同士が顔見知りになっている安心感もあり、スムーズに2回目の研修が始まりました。
1回目の研修では、情報を「整理する」ことをケーススタディから学びました。2回目はまず「結論を出す」について学んでいきます。「結論を導き出すには、根拠が必要。根拠は3つあると納得の度合いが高くなる。そして根拠を示すための具体例があるとよい。」と講師からのアドバイス。
ロジックツリー※を用いて、結論、根拠、具体例を参加者それぞれが書き込んでいきます。
※ロジックツリーとは、物事や問題を要素ごとに分解して考えていくフレームワークのこと
方法論として、①具体例から→②現状を分析し→③提案する、というやり方もあるし、①提案したいことがあって→②それを支える根拠を導き出す、というやり方もあるとのこと。
最初は参加者ひとり一人がロジックツリーを作り、グループ内で発表。その後、各メンバーの意見を聞いたり、講師のアドバイスを聞いた上で、再度ブラッシュアップ。より説得力のあるロジックツリーになるよう、各自が考えを磨いていきました。
「結論、根拠、具体例を組み立てることで納得させられることが分かった」
「分類わけが難しい」
「人によって分類方法が違うので結論が違ってくる」など
講師からは、「上の人や組織として大切にしているところを根拠にすると話が通りやすい。」という助言がありました。
最後は「分かりやすく伝える」について学びます。
講師は、結論重視で伝える手法、箇条書きの手法、時系列で述べていく手法など、伝えたいときの具体的な手法を提示。それぞれの利点が説明されました。非言語の大切さも強調され、目を見て話すことや、伝えようという気持ちを乗せることも忘れないようにとのアドバイスでした。
最後に、2回のセミナーで学んだことをどう生かしたいか、という問いが投げられました。問いに対して、「仕事で表面上見えている問題の一歩先を深堀していきたい」など、早速仕事に活かしたいという意見のほか、「夫婦の話し合いで使いたい」「PTAの会議で意識してみたい」「復職するにあたって課題を洗い出したい」など、あらゆる分野で活用していこうとする声が聞かれました。
2回のセミナーを通して、参加者同士のつながりも深まったようで、「オンラインで気軽に連絡先を交換できないのが残念」「他業種の方とつながれてよかった」という声も各グループで聞かれました。
働く女性たちの悩みは、業種によって違うものもある一方で、普遍的なものも数多くあります。中でもコミュニケーションの難しさは、どの業種にいても感じることのひとつです。コミュニケーションを円滑にするロジカルシンキングスキルは、働いていく上でもっとも重要なスキルと言っても過言ではないでしょう。今回「伝える」スキルを学んだ参加者のみなさんが、職場やプライベートでロジカルシンキングを存分に活かして、課題解決に力を発揮されるよう願ってやみません。
【取材・編集】子育て向上委員会 長谷川由香