日々仕事をする中で、多くの人が「時間がない」という悩みを持っているのではないでしょうか。「業務が多すぎる」「何を優先すべきか迷う」「予定通りに進まない」など、常に時間に追われているような状況では、業務を進める面でもメンタル面でも、デメリットが大きくなります。どうやったら定時に仕事を終わらせることができるようになるのか、2日間のセミナーを通して学びました。
日時 | <第1回>2022年10月7日(金)14:00~17:00 |
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<第2回>2022年10月14日(金)14:00~17:00 | |
対象 | 石川中央都市圏で働く女性 |
研修会社 | 株式会社インソース |
セミナーはオンラインでの開催です。参加者は少人数のグループに分けられ、各グループで自己紹介が行われました。アイスブレイクタイムで緊張がほぐれたところで、各グループで進行役などを決め、セミナーが始まりました。
セミナーは個人ワークからスタート。仕事の時間管理に関して、苦手と感じていることについて、各自で悩みを書き出しました。意見交換の場では「突発的な仕事によってタイムスケジュールを守れない」「優先順位をつけるのが難しい」等の声が聞かれました。
時間管理において苦手なことを話し合った後で、タイムマネジメントの4つの原則について説明がありました。1) 時間そのものは現実には管理できない 2)管理できるのは仕事や行動 3)時間を管理するとは考え方や行動を変えること 4)PDCAサイクルで仕事をすすめる という4点です。
時間は24時間しかなく、増やしたり減らしたりすることはできない一方で、自分自身の行動は管理できます。講師からは、スティーブン・R・コヴィーの著書『7つの習慣』の「自己管理の原則」をぜひ読んでみてほしいとのアドバイスがありました。
自分自身のワークスタイルを可視化して理解するための個人ワークが行われました。日々の業務の中で、どのような仕事を行なっているのか、どのくらいの時間を費やしているのかを、各自で書き出します。
さらに、24時間をどのように使っているか、参加者それぞれが直近の3日間を振り返りながら記入。分単位で書き出した後で、各項目に対して「満足しているか」「問題を感じているか」の自己評価も書き入れ、グループワークが行われました。慌ただしく過ごしている時間を可視化することで、それぞれ課題が見えてきたようです。
仕事は、①考える仕事 ②こなす仕事 ③時間を拘束される仕事 ④少しなら時間を自由に使える仕事 の4つに分類できるとのことで、それぞれの内容について詳しい説明がされました。
4つの分類について説明を受けた後で、3で行なった「自分のワークスタイルを知る」の個人ワークに戻り、各自で書き出した仕事の種類について、①から④のどれに該当するか考えて分類していきます。分類した上で、各グループ内で話し合いを行いました。
続いて、「組織的視点で自分の仕事かどうかを考える」ことの必要性について学びます。優秀な人ほど、突発的な仕事や担当外の仕事を回されたり、つい「自分がやります」と言ってしまいがちと、講師は指摘。だからこそ、自分の仕事か否かを明確に区別することが大切のこと。①自分しかできない仕事 ②他の人でもできる仕事 ③他の人が担当すべき仕事 と切り分けることで、時間管理の質を上げることができるとのことです。
最後に、各自が書き出した仕事について、「自分しかできない仕事」「他人でもできる仕事」に分類する個人ワークを行ない、第1回は終了となりました。24時間のタイムレポートを改めて細かく書き入れることや、自分の仕事を洗い出すことが来週までの宿題として出されました。
第2回目は、1回目の振り返りから始まりました。参加者からは「自分じゃなくてもできる仕事を割り振ってみた」「意識をしたつもりだが、1週間があっという間に過ぎてしまった」などの声が聞かれました。
2日目はまずQCDRについて学びます。
QCDRとは、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)、Risk(リスク)のこと。仕事に取り掛かる前に、この4つを明確にしておくとよいと講師は話します。
ケーススタディに沿ってQCDRを考えるワークが行われ、どのような点に注意したらいいか、参加者全員で共有しました。特にリスクは気づかないところに潜んでいるので、意識する訓練をしてほしいとのこと。
続いて、参加者が各自の仕事に関してQCDRを考える個人ワーク。それぞれが自分の仕事を俯瞰的に見る機会になったようです。
優先順位をつけて仕事を進めることは仕事の基本です。ただ、それは自分の仕事が細かく把握できていることが前提。優先順位の個人ワークでは、自分の仕事を細かく分け、緊急度の高さ低さ、重要度の高さ低さについて、マトリックスを使って整理しました。
マトリックスを作成することで優先順位が明確になります。講師からは「重要度も緊急度も高いものから対応すること。小さな成果を積み重ねていってほしい」という助言がありました。
時間を奪っていく4つのリスク、「無計画・早合点リスク」「ゴチャゴチャリスク」「ミス・手戻りリスク」「気が散るリスク」について詳しい説明がされました。
「仕事の時間管理を考えるために自分のコストを考えよう」と講師は話します。各自が自分自身の人件費について考える時間となりました。またトラブル発生時の対処法についても説明がありました。トラブルを共有することが、組織マネジメントに有効とのことです。
2日間の研修を踏まえて、自分の時間の使い方で見つかった問題点と改善策について個人ワークを行ない、最後にグループ内でシェアをしました。講師は、「時間だけは神様が平等に与えてくださった」という本田宗一郎氏の言葉を引用し、「仕事と生活のバランスを取りながら、頑張っていただきたい」と参加者を勇気づけていました。
2日間の貴重な講義、ありがとうございました!
【取材・編集】子育て向上委員会 長谷川由香